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コラム

スウェーデン人の歯科通いは“美容室に行く感覚”

あなたはどれくらいの頻度で美容室に通っていますか? 女性の場合であれば、1~2カ月に1回という方も多いでしょう。一方で、歯科医院に通う頻度はそこまで多くないかもしれません。

「だって、歯医者は痛くなってから行くものでしょ?」

こうしたお考えをお持ちの方に、今回はスウェーデン人から学ぶ予防歯科の重要性についてご紹介します。

予防意識の高いスウェーデン人

「予防歯科」の重要性を世界で初めて打ち出したのは、スウェーデン。その歴史は1970年代にまでさかのぼります。なお、スウェーデンでは国家をあげて予防歯科を義務化しており、国民全員が予防歯科に関わる高い意識を持っていると言われています。

これを実証するデータが実在しています。以下に、2013年12月にライオンが行った調査結果をご紹介しましょう。

予防歯科を理解している

  • スウェーデン:59.6%
  • 日本:20.9%

予防歯科を実施している

  • スウェーデン:69.3%
  • 日本:26.2%

予防歯科の必要性を感じている

  • スウェーデン:83.1%
  • 日本:70.6%

出典:日本・アメリカ・スウェーデン 3カ国のオーラルケア意識調査Vol.1

結果で分かる日本人との差

予防歯科の意識に大きな開きがある日本とスウェーデン。その違いは、結果にも表れています。以下は、それぞれの国で暮らす人の70歳時点における平均残存歯数です。

  • スウェーデン:21本
  • 日本:16.5本

親知らずを含めた歯の本数は32本が一般的です。こうしてみてみると、70歳以上の日本人はその半数を失ってしまっている計算になります。

一方で、スウェーデンに暮らす方は4.5本も多い21本。予防意識の差が、こうした違いを生んでいるといえます。

出典:平成17年歯科疾患実態調査、Thirty year trends in the prevalence and distribution of dental caries in Swedish adults (1973-2003)

予防歯科通いは美容室感覚で

それでは、具体的に歯科へ通うのはどれくらいの間隔が適切なのでしょうか? 実は、適切な頻度というのはそれぞれの口腔環境によって異なります。

たとえば、自宅でしっかりとケアが行えており、歯並びや歯ぐきの状態に問題がない方であれば半年に一度のペースでも構いません。

一方、ブラッシングが苦手な方や歯周病が進行している方、そもそも虫歯になりやすい歯質の方であれば、1~2カ月に一度の通院がおすすめです。平均すると、3カ月に1度は歯科へ通うのが大切と言えるでしょう。

まとめ

普段から予防歯科への意識が高いスウェーデン人にとって、歯科医院へ足を運ぶのは美容室で髪のお手入れをするのと同じ感覚なのでしょう。
いつまでも健康なお口を保つために、私たち日本人もぜひ見習いたいですね。