高価なインプラント治療
インプラント治療のほとんどが保険が適応されない自由診療ですので、高価になります。そのため、患者さまの期待通りにならなかった場合には、「やらなきゃよかった!?」と後悔することがあります。高価だからといってどの歯科医院で治療しても期待に沿うものができるというわけではなく、患者さまご自身の歯とは異なる人工物で作り上げた人工の歯ですので、色合い、形、咬み心地、手入れの仕方など、様々なところに違いが生じてきます。
やらなきゃよかった!?期待編
患者さまのインプラント治療への過大な期待からの行き違いを防ぐため、当院では、事細かくインプラント治療の説明を事前に行い、患者さまに納得いただき同意書をいただいたうえで、治療を進めていきます。そうすることによって、インプラント治療に対する期待を、現実的なものにしていただき、このような不快な思いをさせるようなことを避けるようにしています。
やらなきゃよかった!?手術編
次に「やらなきゃよかった!?」と後悔する原因としては、手術による偶発症の発生により、不快な症状が手術後に起こってしまった場合です。インプラント治療で最も知られている偶発症としては、下あごの骨の中を走る神経・血管を、インプラント体の埋め込みの時に傷付けて、下唇の触った感じが永久的に鈍くなるというものです。次が、上あごの骨の中にある大きな空洞(上顎洞)にインプラント体が落ちてしまうことです。ここにインプラント体が落ちてしまうと上顎洞炎(蓄膿症)を発症してしまいますので、インプラント体の除去が必要になります。そのためには大きな病院、大学病院等へ行っていただく必要性があります。これらの偶発症は、術前のCT検査により、神経・血管、そして、骨の中の空洞の位置を確認することにより避けることが可能です。当院ではCTを完備し、いつでも撮影が可能です。また、CT撮影というとエックス線被ばくを気にされる方もおられますが、当院のCTは被ばく線量の低いもので、1回の撮影でおおよそ0.04mSv(ミリシーベルト)とされています。これは、1年間に日本で自然に被ばくする線量が1.5~2.4mSvとされているのでかなり低いということがお分かりいただけるかと思います。ちなみに、健康診断での頬部レントゲンが0.09mSvといわれています。
術前にしっかりとした検査をさせていただくのですが、下あごの手術では、一時的に下唇の触った感じが鈍くなることがあります。これは、神経の近くの骨をドリルで削ったことによる刺激がそうさせているのですが、1~2週間、長くて6カ月くらいでもとに戻るものです。
やらなきゃよかった!?早期脱落編
さらにその後「やらなきゃよかった!?」と後悔する原因としては、早期にインプラントで作った歯が脱落してくるような事態が起こった場合です。この大きな原因が、インプラント体を埋め込んだ後の3週間のケアが十分でなかった場合で、骨とインプラント体との接合が十分に獲得できていないために起こってくるものです。
インプラント手術の1回目(インプラント体の埋め込み手術)の後3週間、うまくケア(傷口を安静にし、どろどろの食事を反対側で食べていただき、ジョギング、ゴルフ、旅行などを控えていただく等)していただけないとインプラント体と骨が接合する面が少なくなってしまうので、この3週間が重要です。この時の問題が、インプラントで作った歯が早期に脱落してしまうことに繋がります。その他に、手術前から全身的なご病気がある、あるいは手術後に何らかのご病気になられたことが原因になる場合もあります。
また、歯ブラシが悪くインプラントで作った歯の周りに汚れがたまってしまっている場合や、インプラントの歯で硬いものばかり噛んで、あまりにも力がかかりすぎたような場合には、早期脱落の原因になります。そのために重要なのは、定期的メインテナンスとブラッシング指導などです。
歯科医院選びの13の視点
- しっかりとした知識と技術、そして経験のある学会認定の専門医がいる
- 治療開始前に十分に話を聞いてくれて、ちゃんと説明してくれる
- 術前の検査をしっかりとやってくれるか
- 全身的な病気に気を配り、持参した各検査データーを事細かくチェックしてくれる
- インプラント治療の利点・欠点を納得するまで話してくれる
- リスク(失敗する危険性)を説明してくれる
- 設備が整っている
- 清潔に手術をしてくれる
- 適正価格で事前に見積もりを提示してくれる
- 治療開始にあたってしっかりと同意書を取ってくれる
- 手術後およびインプラントの歯が出来上がった後、注意事項をしっかりと説明してくれる
- インプラントの歯の手入れの説明、定期的メインテナンスがしっかりしている
- インプラント治療後一定期間、保証期間(1年間無料で再治療を行う)がある