インプラントの手術は、まずインプラント体という土台となる部分を、骨の中に埋め込む手術(埋入手術)をします。図に示しているように、普通の歯でいうと根っこにあたる部分、これがインプラント体です。
術前
インプラント体というものは、チタンという金属でできているため人間の体にとっては異物です。その異物を埋め込んだ後、傷をしっかりと治すことが重要です。また、手術後1週間以内に傷口からバイ菌が入って手術の傷口が膿(う)んでしまっては、骨接合しなくなります。
口腔内には1000~2000億個の細菌がいるといわれています。それらの細菌が原因で手術の傷口が膿んでくるので、できるだけ口の中の細菌の数を少なくしておいて手術をする必要性があります。当院では手術の1週間前と手術当日に口の中のお掃除をさせて頂きます。
インプラント体(埋入手術)の流れ
手術は、局所麻酔(歯を抜く時と同じ)にて行います。次に、歯ぐきを捲り上げて骨を露出させ、ドリルでインプラント体を埋める穴を形成します。術前検査で使用した診断用ステント(インプラント体埋入位置決め装置)を使ったドリリングガイドを使い決めた位置に正確にドリリングします。3種類程度のドリルを使い、順次穴を大きくしていき埋める予定のインプラント体よりも少しだけ小さい穴を形成し、ネジ型のインプラント体をゆっくりとねじ込んでいきます。
インプラント体は骨の高さとほぼ同じ深さまで埋め込まれます。インプラント体は上に穴が開いているので、そこをカバーするための蓋をして、歯ぐきをもとに位置に縫合します。
手術時間は、1本だと15~30分、2本だと20~40分、上と下に同時に各2本づつ埋め込む場合には傷が2か所になるので60~70分くらいかかると思っておいてください。
術後は痛みを抑えるための鎮痛薬、感染予防のための抗菌薬をしばらく服用していただきます。
インプラント体(埋入手術)術後の過ごし方
ご自分で車を運転してきていただいて、帰っていただくとこができます。手術当日および翌日は、お仕事のご都合をつけていただき、ゆっくりしていただくことが良いと思います。また、手術後3週間は、やわらかいドロドロの食事をとっていただくようにしていただければ完璧です。
2回目の手術の流れ
次の手術に関してですが、これは1回目の手術後免荷期間(下あご1.5~2カ月、上あご 2~3カ月)を経て行うもので、歯ぐきの下にあるインプラント体を歯ぐきを切って露出させインプラント体に被せてある蓋を外して少し大きめの頭を付ける手術です。
この手術は歯ぐきを触るだけなので、時間も短く、痛み、腫れも少ないです。手術後は1週間程度で傷が治りますが、その間は、反対側でお食事をしていただくようにお願いします。
この後は、仮歯の形取りになります。