矯正治療中の「スウェーデン型歯みがき法」とは!?
今日から本格的な矯正治療が始まります。
歯の表面にブラケットという小さな装置が付いて、ワイヤーを通してあります。まず、歯みがきの仕方のポイントについてお話していきます。
矯正治療が始まると、装置を取り付ける前と比べて、特に丁寧に歯みがきを行う必要があります。矯正装置を付けたお口の中は、磨き残しやすい状態になり、今までよりも多少の時間とコツが必要になります。
ブラッシング不良による磨き残しは、時間が経つと“プラーク”とよばれる細菌のかたまりになり、むし歯や歯ぐきの炎症(歯周病)の原因となってしまいます。むし歯や歯周病によってきれいな歯並びを失わないために、毎日の歯みがきでお口の健康を守りましょう。
スウェーデン型歯みがき法とは!?
ワンタフトブラシでプラークが溜まりやすい部位を磨いていきましょう。そしてそのあとに山型の歯ブラシでブラケットの周りを磨いてください。この、プラークが溜まりやすい部位(リスク部位)から磨いていく方法がスウェーデン型歯みがき法です。
スウェーデンを見習おう!
スウェーデンは歯の予防先進国といわれています。80歳で口の中に何本歯が残っているのか各国で比較したところ日本では平均14本、スウェーデンでは平均25本という結果になりました。(大人の永久歯は28本で、矯正治療のために小臼歯を抜くと24本になります)
スウェーデンの人々は80歳になってもなぜこれだけ多くの歯が残せるのでしょうか?
予防の意識が高いスウェーデンの多くの方が行っている磨き方が始めにリスク部位を専用の道具で磨くという磨き方です。そうすることで、むし歯や歯周病のリスクがある部位を磨く習慣が身につきやすくなるのです。
プラークの溜まりやすい場所と磨き方
ブラケットの周り
ブラケットを中心にし、歯を上・下に分けて磨く。矯正装置と歯の間に歯ブラシをななめに当てましょう。
歯と歯の間と歯とワイヤーの間
プラークが溜まりやすいです。ブラシを上・下どちらからも入れてかきだすように磨きましょう。
歯と歯ぐきの境い目
矯正装置がなくても磨き残しが多い場所です。ワンタフトブラシで境い目をなぞるように磨きましょう。
ワンタフトブラシと山型歯ブラシに慣れてきたら、デンタルフロスも併用してみましょう。
1日1回時間が取れる時に使うと、歯と歯の隙間のプラークをしっかり落とすことができます。
歯ブラシは「ワンタフトブラシ」がおすすめ
歯の裏側に矯正装置をつけた場合、歯ブラシは「ワンタフトブラシ」がおすすめです。歯と歯ぐきの間に、ワンタフトブラシを斜めに当てながら磨きましょう。歯ブラシ全体を使って磨いてしまうと、矯正装置にあたり毛先が広がってしまい、磨きたい場所へあてることができません。歯の裏側は1歯ずつ磨く方法が適していますので、ワンタフトブラシだけで磨くことをお勧めいたします。
矯正装置を使用中の注意事項
ワイヤーがあたって痛いとき
歯のねじれや重なりの改善に伴い、ワイヤーの両端(奥歯のワイヤー)が後ろに延び出してくることがあります。ほっぺたや歯ぐきや舌にあたってお痛みがある場合はご連絡の上お越しください。
ブラケットが外れたとき
ブラケットを装着する際、外れないよう細心の注意を払っていますが、硬い食べ物や大きな食べ物を食べた際に外れることがあります。しかし、強すぎる接着剤でブラケットを歯につけてしまうと、想定外の無理な力がかかった際にその力が歯の根にダメージを与えてしまいます。当医院ではあなたの歯を守るために無理な力がかかった際にはブラケットが外れる程度の強さの接着剤を用いています。
- 外れてお痛みがあればご連絡の上お越しください。常勤の歯科医師が応急処置をさせていただきます。
- 外れても痛みが無い場合は、近いお日にちの矯正歯科診療日にご予約をお取りください。
- お忙しい場合は次回の矯正アポイント時までそのままにしていただいても大丈夫です。
- ブラケットが外れたことにより治療が大きく変化する事はないのでご安心ください。
保護用ワックスの使い方
口の動かし方を体が覚えるまでのしばらくの間は、ブラケットがほっぺたや歯ぐきや舌に当たり、違和感や口内炎が生じることがあります。お困りの際は保護用ワックスを使ってみてください。ワックスは少量指先に取り、水気をティッシュなどでふき取ってから当たって気になるところに軽く押し付けていただくと比較的簡単に装着できます。
※このワックスは誤って飲み込んでも人体に害はありません。