むし歯の段階がC3（神経にまで達してしまった状態）まで進行してしまった場合は、神経を取り除く「根管治療」が一般的に行われます。しかし、この治療には非常に高度な技術が必要なため、成功率は担当する歯科医師の腕にかかっていると言っても過言ではありません。また、歯科医院が持つ設備についても重要です。そこで今回は、根管治療の安全性を高める歯科用機器や、歯科医院選びの際に確認しておきたいポイントについてご紹介します。

歯科用CTで診る立体構造

根管治療の治療対象部分である根管や根尖（こんせい）は、非常に入り組んだ構造をしています。にもかかわらず、従来の歯科治療では肉眼による作業が行われていました。歯科医師の勘や経験に頼った治療は、よほどのベテランでなければ信頼性が高いとは言えません。

そこで近年では、根管の構造を正しく把握するために内部を立体的に撮影できる歯科用CTを用いる歯科医院が増えてきています。見えない部分が可視化されることで、精密な診査・診断・治療が可能になります。

より精密な根管治療にはマイクロスコープを

歯科用CTだけでも、根管治療の成功率は従来に比べて格段に高まります。しかし、より精密な治療を行うためにはマイクロスコープの活用も重要です。

歯科用顕微鏡とも呼ばれるこの機器は、患部を拡大しながらの治療を実現します。歯科用CTで把握した構造を拡大された視界で見ることで、より細やかな作業が可能になります。治療精度が高まれば、治療の成功率が上がり、結果的に再治療や抜歯などを避けることにもつながります。

歯科医院嫌いの方に安心を届ける「痛くない治療」

このように、正確な診断と最新設備を用いた根管治療は多くのメリットをもたらします。
歯科医院選びの際には、こうした点を判断基準にされるのがおすすめです。

なお、根管治療では根管の拡大や清掃に加え、症状によっては歯肉の切開もやむなしというケースも存在します。こうした治療の際には、どうしても痛みが発生してしまうこともあります。それを考えると、痛みを極力抑えた「無痛治療」を行っているところを探すのも、歯科医院選びでは重要であると言えます。

まとめ

冒頭でも触れたとおり、根管治療は非常に高度な技術が必要となる治療です。成功のカギはドクターの実績だけでなく、歯科医院の設備にもあると言えるでしょう。通院を検討される際には、それぞれの歯科医院の根管治療実績や設備について事前に確認されることをおすすめいたします。