2024年2月27日
元通産大臣で自民党東京都連最高顧問の深谷 隆司先生による温故知新塾を開催致しました。
この日は、能楽の大家・世阿弥が次世代のために残した書物「風姿花伝」の中で説かれている「初心」と「花」についてご講義いただきました。
多くの人が「初心」という言葉を、「何かを始めたときの最初の気持ち」などと単純に捉えがちですが、本来の意味はやや異なります。人生には数々の節目があり、その時々で心身の変化や老いなど、様々な壁にぶつかります。その試練を乗り越えていくときの心構えこそが、世阿弥の言う「初心」なのだそうです。
「あの人には花がある」などと言うときの「花」も、単なる見た目の華々しさや若さゆえのものと思われがちです。それも本来の意味とは異なり、「花」は修練によって身につくもの、「初心」を乗り越えることで身につくもの、というのが世阿弥の教えです。
困難や老いに直面したときに、相応しい心構えをし、相応しい闘い方をする、その積み重ねが、真の「花」をもたらすという世阿弥の教えをご教授いただきました。
このほかにも、能を通じて数々の人生訓をご紹介いただき、大変密度の濃い「温故知新」が体現されたご講義となりました。